あやか

ゾディアックのあやかのレビュー・感想・評価

ゾディアック(2006年製作の映画)
3.5
大きく物語は進まないのに、それぞれの心情や立ち位置が大きく変化していく
そこが辛く歯痒く感じるし、物語の人々にとって辛い事だと分かる
実際にあった事件を題材にした映画というのはフィクションのような安心感がなく、見た後に自分にも被害者になる可能性があると恐怖感を後味に感じさせられる
それも監督の微妙なリアルな脚本や役者たちの演技のせいだろう

地下室のシーンは今回の一番の緊迫感のある場面となったが、あれこそこの映画の中で一番の想像の賜物だと思う。
映画を見ているその瞬間はやはり作り物の想像のシーンでこそ人間の恐怖や緊迫感を感じやすいのかもしれない。

最後のひと言が何より恐ろしく感じた
が、それこそ証拠もない映画ではなく原作のフィクションかもしれないと思っておいた方が、恐怖感が薄れていい

ただ物語が進展しないため途中から中弛みはある。主人公も3人いるし1番感情移入しにくい男が中盤から終盤にかけて活躍するため、心情の理解がしにくい。
私のように連続殺人鬼や未解決事件等が好きじゃなければ、もっと評価は低いかもしれない。
あやか

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