明石です

悪を呼ぶ少年の明石ですのレビュー・感想・評価

悪を呼ぶ少年(1972年製作の映画)
3.5
舞台は1930年代の農村。良心を持たず行く先々で不幸を呼んでしまう弟と、彼の存在に悩みながらも依存している兄、2人の一卵性双生児を取り巻くお伽話みたいな話。『アラバマ物語』の監督による、子供の視点で描かれたアラバマ物語みたいな質感のホラー風映画。

前知識なしで見たので、ジャケットと邦題から『オーメン』みたいに正当なホラー映画かと思いきや、蓋を開けてみると『シックスセンス』と『サイコ』の中間みたいな話でした(The Otherというタイトルからなんとなく予想はつくと思いますが)。しかしそのトリックがどんでん返し的に使われるわけではなく、わりと中盤で明かされ、その後は主人公の男の子がその病気(のような何か)に立ち向かってくという展開。

ジャンルとしては間違いなくホラー映画なのだけれど、無邪気な子供が主人公だしセットは終始昼間だしで、怖さはあまり感じず。むしろ可哀想だなと思いながら見てました。そして最後はほんのり苦いビターチョコレートみたいな後味の終わり方。再視聴はないと思うけど、一度は見れて良かったと思える映画です。

——好きな台詞——
「お前の世界はまさに真実よ。お前にはね。ただ私たちには見えなかったの。見ようとしなかった」
明石です

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