工場労働者が昼休みに工場併設の小さな映画館に集まり、リュミエール兄弟の『工場の出口』を観せられる。まさにアイデア一本勝負なショートフィルム。
工場から人が出てくるだけの、数秒たらずのほとんど原始的と言えそうな映画を観る煤けた顔の労働者たち。ユーモアなのかブラックユーモアなのか判じかねるこの絶妙な軽快さが私はとても好きで、何度も重ねて観そうな気配。今年鑑賞したショートフィルムの個人的大賞を授与する。単純労働に身をやつす人々なら、世界初の映画でも感動する、、とかかと思いきや、まるで仕事の延長みたいに怠さ半分真剣さ半分でスクリーンを見つめる彼らの視線が強烈でした笑。
工場と労働者を撮るのがこんなに上手い映画作家って、カウリマスキをおいてほかに思い当たらない。
