Bobsan

悪を呼ぶ少年のBobsanのレビュー・感想・評価

悪を呼ぶ少年(1972年製作の映画)
5.0
陽光照りつけるコネチカット州の田舎。3、4世帯程が生活する農園を舞台に展開するとてつもなく恐ろしい物語ですね。
少年ナイルズを中心に語られる物語は後半に至るまでなんとも掴みどころがありません。
劇中で主人公ナイルズはやたらと走ります。これが観ている者をなんとも落ち着かない気分にさせますね。一見すると元気で活発な少年に見えますが、人間は心に強烈な不安や恐怖があるとそれを振り払おうとじっとしていられなくなります。ナイルズの心は常にじっとしていられない程の不安と恐怖に苛まれているのが物語後半に至るまでに徐々に何となくわかって来ます。暗澹とするしかないその原因がわかった後半に待ち受けるクライマックスの惨劇には慄然とするしかありません。孫を優しく見守るロシア人の祖母の絶望が胸に迫りますね。
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