Nove

俺たちに明日はないのNoveのレビュー・感想・評価

俺たちに明日はない(1967年製作の映画)
5.0
既に50年以上の歳月が経っているが、いま観ても色褪せないボニーとクライドの物語。アメリカン・ニューシネマとして、社会に対する反逆と二人の愛の猫写が、フェイ・ダナウェイの表情に美しく描かれている。時代を変えたかった女性は、逸脱したやり方でしか自分を表現出来なかった切なさと、強い意志、寂しさといま生きているという笑顔が、先のない未来を見つめる遠い視線と相まって、妖艶な美へと昇り詰める。ラストのカットバックは、映画史に残る名場面だ。最後の姿までボニーの生き方そのものであるかのように、崩れ落ちる手前で全てを物語るかのように時間は静止する。そして映画は、観客の記憶にいつまでも残り、生き続ける。
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