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麻雀放浪記のAPlaceInTheSunのレビュー・感想・評価

麻雀放浪記(1984年製作の映画)
4.7
■ラスト、戦後の焼け野原を手押し車の霊柩車で賭け麻雀に向かう奴らの面構えが素晴らしい。

■阿佐田哲也のベストセラー小説「麻雀放浪記」をイラストレーターの和田誠が実写映画化。終戦後も学校へ戻らず無為な日々を過ごす青年・哲(真田広之)は、勤労動員の工場で働いていた時に博打を教えてくれた上州虎(名古屋章)と再会する。虎に連れられてチンチロ集落を訪れた哲は、そこで出会ったプロの勝負師・ドサ健(鹿賀丈史)に、強烈な対抗心と奇妙な友情を抱く。数日後、哲はドサ健と共にアメリカ兵相手の秘密カジノへ繰り出すが……。【映画.comより抜粋】

戦後間もないドサクサの時代に賭博の世界で生きるアウトロー達を曲者俳優達が活き活きと演じてて素晴らしい。
高品格、天本英世、笹野高史(オカマ役です!)、名古屋章、加藤健一、大竹しのぶ、加賀まりこ、、、
何と行っても見ものは鹿賀丈史。根っからの博打打ち、ドサ健を実在感たっぷりに演じる。やってる事は今の倫理観に照らすと全部ダメ。めちゃくちゃなんだけど女が惚れそうな魅力が漂ってる。

映画に何を求めるのかは人それぞれで、真っ直ぐな正義を観たい人も多いとは思う。
自分はどうしても「人間の愚かさ、どうしようもない駄目な所」を求めてしまう。この世の隅っこに追いやられた人達にもスポットを当てて欲しいし、美化しないで欲しいとも願う。
(勿論、悪はきちんと悪として描かれ、それ相応の裁きを受けるべきだし、酷い目に合っても良い。)
ただでさえポリティカル・コレクトネスによってあらゆるメディアが浄化されつつある今、こんな映画が無くなって行くのは寂しいなぁと、
最近観た「ヤクザと家族」の他の方のレビュー見てたら、特にその思いを強くした。
マフィアやヤクザを描いた映画が無くなるなんて、それこそディストピアだ。
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