絶対の客人

栄光のランナー 1936ベルリンの絶対の客人のレビュー・感想・評価

3.6
リオ五輪真っ只中!さらに現在、陸上競技真っ只中!大会そのもの以上に観て知っておきたい五輪の栄光の歴史!


あえてTwitterでのレビューをFilmarksへ延長したのは、この映画に熱く語りたい響く何かがあったというワケじゃなく、単にあらすじのさわりを書いただけで文字数がオーバーしてしまったから…

…というワケで、せっかく文字数制限が無いってことで、だらだらと書きたいことを綴らせて頂こうと思います♪


アメリカに人種差別が当然のように蔓延していた時代、高校生だった黒人陸上選手ジェシー・オーエンス(ステファン・ジェームズ)は、ラリー・スナイダー(ジェイソン・サダイキス)という一人の優秀なコーチの存在を聞きつけ、オハイオ州立大学へと進学した。

白人からの理不尽な迫害を受けながらも、元々人一倍身体能力の高かったジェシーは、ラリーの指導を受け、出場した大会で次々と記録を塗り替え、メダルを獲得してゆく。

そしてジェシーは、1936年にナチス政権下で開催されるオリンピック・ベルリン大会への出場権を当然の如く獲得する事になる。ところが〈アメリカ黒人地位向上委員会〉は、ナチスドイツのユダヤ人への人種差別政策に抗議する意味で、ジェシーにオリンピックへの出場を辞退するよう働きかけてきた。


この先ジェシーがオリンピックに出場したのかしなかったのか…もちろん出場しました!そりゃそうだ!そうじゃないとこの映画自体が作られてない…

アメリカにいながら、すでにオリンピックへの出場自体が政治と切り離せない関係にあることを痛感していたが、ヒトラー政権下の政治圧力が、競技そのもの(順位や人選など)にも影響を及ぼしていることに驚愕するジェシー。

競技ではなく、政治に振り回されるジェシーは、いかにして4つもの金メダルを獲得する偉業を達成するのか…そこにはコーチやチームメイトだけではなく、本国ドイツのライバル選手、ルッツ・ロングのスポーツマンとしての精神にあった。


一番の見所はこのルッツ・ロング選手♪彼とジェシーのシーンや、エンドロール前の「その後」の解説は胸を打つ。

それ故に、(まあ実話だからしょうがないといえばしょうがないが…)クライマックスの競技の順番、せめて走り幅跳びをラストに持ってくるよう、脚色しては頂けなかっただろうか………そりゃムリかww


もう一点、評価しにくいポイントを挙げるなら、これも実話だからしょうがないといえばしょうがないが、スポーツを侵食する政治という障害を、周囲の協力を得ながら必死に切り抜けていくジェシーの姿には心打たれるものの、あまりの身体能力の高さ故に、あまり努力せずに簡単に勝利しているような印象を受けてしまう。

なのでこの作品自体、政治モノとしては見応えを感じたが、期待していたスポーツモノとしてはあまり見応えを感じない作品だったように感じました。