かがみまち

栄光のランナー 1936ベルリンのかがみまちのレビュー・感想・評価

4.6
多面的な名作。
時代的に1933年という出だしから嫌な予感がビンビンするのは、当然だと思う。ナチスが台頭し始めたベルリンで、ジェシーが新たな友情を築き、そして走る姿の美しさに思わず涙が出そうになる。
また、女性の映画監督(名前は失念してしまった)とゲッベルス宣伝相およびIOCの会長のやり取りも必見。政治とスポーツは乖離すべきだと断言しながらも、抗えない大きな権力も実在し、それとどう向き合うかも匂わせていて、非常に興味深い。
金メダルにかける執念そのものよりも、ジェシーが走ることで、意識や感情を動かしたという事実が、たまらなくぐっときた。