フランス人女優ジャンヌ・バリバールの歌手活動を記録した音楽ドキュメンタリー。
ほぼ全編『白黒+レンブラントライディング+固定カメラ+長尺カット』で展開される本作。
色とライディング、カメラ位置は人間をカッコ良く映す上での勉強となるが、長尺カットは短尺に慣れきった現代人には退屈でしかない。
しかし、この映画ではむしろその退屈、冗長と感じさせるのが狙いなのかもとも感じた。
たいして歌のうまくない女優が退屈な歌の練習をただひたすら繰り返し続ける。その『なにも変えないこと』により最後には『全てが変わっている』。
そんな体験を追体験させるための映画ではないだろうか。とはいえ退屈は退屈でありエンターテインメントとして微妙。