今まで観てきたホラー映画の中でも上位に食い込むほど怖い作品だった。映画の内容と同じくパソコンで観たけど、恐怖度は上がったと思う。映画の雰囲気が陰鬱としており、情景があり得ないほど暗い。小学生の頃に世界がこの映画と同じような暗さに映る日があったのを思い出した。平成という時代が持つ独特な感じが映画の内容関係なく怖かった。団地、ゲームセンター、工場、どれもが不気味に見える。人がいないと途轍もない不安に駆られる。自分は人と繋がっていないと生きていけない人間かもしれない。死生観といった哲学的な見解から、あちら側とこちら側の繋がりを描いているところに黒沢清っぽさを感じた。終盤までは面白かったけど、急に規模が壮大な話になったのが少し残念。疎外感のあるラストは怖いというよりもどこか物悲しさがあった。今作はSNSで絶賛されているイメージがあったけど、Filmarksでの評価がなぜここまで低いのか。流石に低すぎると思う。
