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回路のmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

回路(2000年製作の映画)
3.3
霊魂(死)の世界とこちらの世界が繋がるコンピューターの回路が生まれ、現れた幽霊によって人間があちらの世界に消えていく様子を描いたホラー。
監督は「CURE キュア」の黒沢清。
キャッチコピーは「幽霊に会いたいですか?」。
後に、アメリカで「パルス」としてリメイク。
カンヌ国際映画祭国際映画批評家連盟賞受賞。(2001)

インターネットを始めた大学生・亮介のモニター画面に不気味な映像が現れる。
その頃、園芸店で働くミチの周囲では同僚が自殺し、その後周囲の人たちが次々と姿を消していく。
やがて、2人は偶然出会い、行動を共にするが…。

~登場人物~
①大学生、川島亮介(加藤晴彦)の関係者
・大学(院)生、唐沢春江(小雪)
・春江の大学院の先輩、吉崎(武田真治)

②園芸に勤める工藤ミチ(麻生久美子)の関係者
・母親(風吹ジュン)
・同僚、田口(水橋研二)
・同僚、佐々木順子(有坂来瞳)
・同僚、矢部俊夫(松尾政寿)
・社長(菅田俊)

③船長(役所広司)

"あかずの闇"
"赤いテープに囲われたドア"

「本当は繋がってないよ、人間なんて。コンピューターの点と同じ。みんなバラバラに生きてる。そんな感じするな」

「この人たち、本当に生きているっていうの。結局、人も幽霊もどう違うの。生きていようが、死んでいようが」

「彼らは人間を永遠に生かそうとする。ひっそりと孤独の中に閉じ込めて」

冒頭からしばらくは、スローな(緩い)展開でちょっとダレる。
人間がコンピューター回路によってこの世からあの世に行ってしまうと敢えて説明されると、天のじゃくな私は非科学的ではないかと思ってしまう。
終盤は、第三次世界大戦(核戦争)による放射能汚染で死の灰が拡散する地球を描いたスタンリー・クレイマー監督の「渚にて」(On the Beach、1959)を連想させます。
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