きじばと

回路のきじばとのレビュー・感想・評価

回路(2000年製作の映画)
4.0
オンラインと現実、霊界と現世。二つの表裏が合わさって、侵食していく物語。

Jホラーというと、日常の半径5メートル以内で起こるからこそ、リアリティがあって身に迫る恐怖心がうまれると思い込んでいたけれど。本作ではインターネットという、目の前にありながら世界と繋がれるツールを利用することで、半径5メートルの話だったはずなのに、気がついたら世界そのものが変わってしまう、逃げられない怖さが演出されていた。
前半後半の趣の違いを指摘する声もあるけれど、自然な話だと思う。

長さはちょっと長い。間がたっぷりで、まさに牛歩という感じ。飽きちゃう瞬間もあった。

しかし、恐怖演出も非常に怖く、幽霊が生々しい。00年代の鬱屈した空気を感じられる。Jホラーの可能性を広げる良作。
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