ハシオ

回路のハシオのネタバレレビュー・内容・結末

回路(2000年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

本作は、2001年に公開されたサスペンス・ホラー映画。
監督は、『スパイの妻』でベネチア国際映画祭“銀獅子賞”を受賞し、ニュースになった黒沢清監督です。

最初はインターネットの世界を舞台に、『キュア』や『自殺サークル』のような何かに“感染”していく、ホラー映画なのかと思っていました。
しかし、いわゆるホラー的なのは前半のみ…。

ラストにかけてはネットを媒介とした幽霊たちの現世への侵略が本格的にスタート。
人類のほとんどが塵となった世界で、主人公の亮介(加藤晴彦)とミチ(麻生久美子)による、逃避行が描かれ、 まるでロードムービーのように“どこか”(物語では南米)を目指して映画は終わっていきます。

うん、正直、ホラーとして見てもさほど怖くない(後味の悪さはありますが)し、内容も分かりやすいものではないので、かなり人を選ぶ作品な気がしますね〜。

自分の中でもこの映画のことを消化出来ているわけではないのですが、この映画を見て思ったのはコミュニケーションの大切さ…(というと陳腐ですが(笑))。

主人公の亮介もミチも人のために懸命に動き、人々と繋がろうとしていきましたよね。反面、菅田俊演じるミチの会社の社長や、春江〈小雪〉は人との繋がりに意味を全く見いだせていなかった。
自発的にコミュニケイトすること、そこら辺が生きることと死ぬことの境目なのではないでしょうか?(まぁ結局亮介も消えてしまう訳ですが…)

しかし、個人的に加藤晴彦が良かったなー。無力な若者感というか...、ダサいけどガムシャラって言うのが感じられて良かった。
あと加藤晴彦のThe アメカジファッションに時代を感じてしまった(笑)
ハシオ

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