この頃にはホラーという概念は無かったと思うけれど、恐怖を感じさせるよりも吸血鬼を使ってまた新しい表現を試してやろうというドライヤーの心意気が強く現れた映画でした。
初のトーキー作品という割には会話は最小限に抑えられていた。別に無声映画でも良かったんじゃないかと思うくらいセリフが少なかった。
一番印象に残ったのは、最後悪医者が粉に埋もれていくシーン辺りで、窓の外にでっかい顔が現れるところ。なぜかモンティパイソンを思い出して吹きそうになった。別に笑うところではないけれど、テリーギリアムのアニメーションの源流を観たような感じがして、あの顔が口をパクパクさせながら動くんじゃないかと思うと笑いが込み上げてきた。
実験的な映像が沢山あって、上記の特撮(またはアニメーション)的な手法などは、やはり同じような作品を作らないドライヤーの真骨頂とも言えるかもしれない。
正直に言うと、途中居眠りしかけました(笑)