このレビューはネタバレを含みます
自由の国アメリカの差別的側面が強く出た作品。
自分もバイクで旅行することが好きで、学生時代に野宿をしながら北海道から沖縄まで周遊したことがあった。
寒さに震えて道の駅の駐車場に泊まる自分に、おにぎりをくれた日本人のクリスチャン夫婦や、鳥取砂丘で1万円をくれた気前のいい若い兄さん、屋台をご馳走し楽しませてくれた博多のおじさんとおばさん。
今も当時の写真を見返し、その温かさを思い出す。
直接的に対比させてもらうが、日本においては、関東人だとバカにされたり、容姿の違いを指摘されたり、レストランで陰口を叩かれたことはなかった。
優しさを恵んでくれた人こそあれど、トゲを刺してくる人などいなかった。
本作を見て、ファッキン不自由の国アメリカだと怒りさえ感じた。昨今の黒人差別しかり、アジア人への暴力しかり。ニュースを見るたびに腹立たしく思う。
人を見下す文化、まして、干渉してくる文化、感情を押さえられない、責任意識の欠如。暴力性。
親がその考えだから、子供も当然そうなる。変えないといけない。差別や偏見で人の自由が奪われないよう願いたい。
アメリカの表層的な美しさとスケール感にばかり目がいきがちだが、世界をリードする国として、中身を正すべきだ。
マザーファッカーと自分の母親をけなされればキレる癖に、平気で人を傷つけるのは自己中心性の表れ。
本作はフィクションながら、ドキュメンタリー的なテイストを感じた。ヒッピー文化とそれへの軽蔑。
差別をするのは一部の人、国民性をそれではからないでほしい、とかはよく言う。日本人に対する中国や韓国での暴力問題がしかり。
本当にそう言っていいのか?と思う。
一部の人がやる分にはいいわけではない。
昔から本作は憧れがあり、荒野を走るバイカーのロードストーリーを楽しみにしてたが、思っていた内容とは違った。
刺激的な内容が多く驚きと共に、様々な感情がわいた。
ただ、ネガティブな印象ではなく、アート性よりもメッセージ性を強く感じ、いい映画だと感じた。
バイカー達を背景と共に引きで映す際のワイルドな印象や、場面転換の際の独特なディゾルブの入れ方など、映画の画としての工夫も楽しめた。
なんと言ってもBORN TO BE WILDはIWGPの頃から好きだっただけに、映画のなかで本物を聞けて嬉しい。
思えば、IWGPも、カラーギャング達の抗争と一匹狼の自由な主人公という構図、『縦割りめんどくせー』という主張は、イージーライダーに通じる所があった。
ヒッピーとか、出身とか、肌の色とか、髪の毛とか、いちいじ分けるからこじれるんだと。
までも絶体、分かれるんだよなぁ。自分が今、アメリカどーちゃらとか、中国、韓国がどーとか、日本は、、、とか言ってるように。自分自身も、自分の属している国が一番かわいいと思ってるのは事実だなぁ。