イチロヲ

ガス人間第1号のイチロヲのレビュー・感想・評価

ガス人間第1号(1960年製作の映画)
3.5
銀行強盗の犯人を捜索する警察官が、美麗な日本舞踊家と奇妙なガス人間の関連性を探っていく。円谷英二が特技監督を務めている、東宝の怪奇映画路線。

ガス人間とは、自身の身体を自由自在に気体化させられる人間のこと。裸体になってから瞬時に背広を着込んでくる場面がツッコミどころだが、半分ガスの状態で背広の中にシュッと入り込んでいると思えば、何となく納得がいく。

洋画の影響下にあった前作とは異なり、本作では和風テイストが加味されている。和服姿でたおやかな女性像を魅せてくれる家元(八千草薫)と、洋服姿で溌剌とした健康美を魅せてくれる女性新聞記者(佐多契子)の対比が見どころ。

ガス人間(土屋嘉男)の悲哀が些細に描かれているが、個人的には家元の側近(左卜全)の生き様のほうに感銘を受ける。余談だが、ガス人間の治験バイト代は月給2万円(年次統計によるとサラリーマン月給が約1万8千円の時代)。さて、あなたはどう考える?
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