NaoMaru

バタフライ・エフェクトのNaoMaruのレビュー・感想・評価

バタフライ・エフェクト(2004年製作の映画)
4.0
エリック・プレス、
J・M・グルーバー監督作品

「蝶の羽ばたきは遠隔の気象に変化をもたらすのか」というカオス理論を「バタフライ・エフェクト」と言うらしい。人間で言えば、ある出来事がその後の人生に大きな影響を及ぼすのかということ。映画では、少年から青年にいたる主人公エヴァンが少年期の行動や決断で、幼な友達3人の人生を不幸にしたのではと悩む。ある時、彼は過去に書いた日記を読んでいるとその時点まで戻れる現象が起こる。問題の時点まで遡り、行動や決断を変えようと何回もタイムリープをトライする。

登場人物は、エヴァンを優しく包み込む母親アンドレア。友達3人は、幼少期の引っ越し先近くに住む初恋の少女ケイリー。彼女とはタイムリープの度に関係が疎遠になったり、うまくいったり、壊れたりする。その兄トミーは凶暴そのものの少年で登場し、様々な事件を巻き起こす。しかしエヴァンがタイムリープを繰り返すうちに温厚な善人に変わる。3人目がレニーという気弱な少年。トミーが起こす事件に最も影響を受けて人生が壊れるが、エヴァンと入れ替わるように運が開けていく。


【ネタバレ含む】
一度切りの人生において「よみがえり」や「生きなおし」ができたとしても、他者や自分の人生が変わり、結果的に厭世的な世界に覆われてしまう。そもそもエヴァンは、幼少期にケイリーと出会ったことからその兄やその友に大きな影響を与えた。だから最後のタイムリープは苦悩の末の決断で実行された。ラストは、社会人になってお互いを全く知らないエヴァンとケイリーが、大都会の通りですれ違う…。赤い糸はもう一度繋がると楽観的に信じたい。出会いの不思議さになぜか涙があふれた。
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