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ここに幸ありのslowのレビュー・感想・評価

ここに幸あり(2006年製作の映画)
4.2
あるきっかけで、大臣の職を辞することになったヴァンサン。一度に家も仕事もお金も愛人も失ったヴァンサンを助けてくれたのは、個性的な母親と心優しい仲間達だった。

ヴァンサン女性にモテるモテる設定。いや、お国柄なんだろうね。放り込まれる小ネタもブラックでビター。しかし、雰囲気は常に陽気であり、何よりヴァンサンが楽しそうなのがいい。
随所に動物が差し込まれ、人も動物も同じフィールドにいる。これはまるで少年が描いていた壁画のようで素敵だし、もしかするとその逆なのかもしれない。

それにしても、本作を観ているとジャック・タチの作品を思い出す。ヴァンサンが人にされるがまま流れ流れて行くからだろうか。ただ単純にややコミカルな動きのせいだろうか。画面上の情報量という点でも似ているかもしれない。

実際に全てを失った時に、これだけ愛される政治家っているのかな。少なくとも日本の政治家を見ていると想像できないよ。ああ、それもお国柄。
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