きっと猫

真夜中の虹のきっと猫のレビュー・感想・評価

真夜中の虹(1988年製作の映画)
4.0
「労働者3部作」の2作目。
波乱万丈とはこういうことだよな、と思ったりもする。

ボロいキャデラックが良い。絶対に寒いんだよフィンランドでオープンカー。閉まらないの。売り飛ばされちゃうし。
それでも明るい未来を求めて南へ、未来を共に生きる3人を運んでくれる船(原題:ARIEL号)へ向かうロードムービー

最後のシーンがなんとも言えない。新しい1日が始まる朝日が登っているのに、ワクワク感がなくて心配になる。
でも綺麗な朝日で、心に残る。
実際に監督は向かえなかったと言っているらしいし。それでも一歩手前で止めて夢を見せてくれる優しさというか惨さというか。淡々とした映画だからこそできること。

父はもう諦めてカスリネンの前で死んでしまったけれど、逆にカスリネンはなぜ生きるのか考えてしまう。自分だったらすぐに死を選ぶだろう。未来がない。
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