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真夜中の虹のmylifeのレビュー・感想・評価

真夜中の虹(1988年製作の映画)
4.2
「真夜中の虹」を再鑑賞してみた。当時に一度、観たものとばかり思っていたけど、ほぼほぼ思い出せないぐらいの遥か遠くて薄い記憶。そんな監督はアキ・カウリスマキ。

労働者三部作の2作品目と言う位置付けで、1988年の映画。いやはや、ほんまに観たのかも不安になってきたけど、男の子がいたのは覚えている。まぁ、断片的な記憶ではあるけども。

主演はトゥロ・パヤラ。ヒロインにはスサンナ・ハーヴィスト。おや、二人とも知らない。それに、さほど無表情とは思えないのが他の作品とは違うトコロかな。無表情の演技って実は難しいんやね。

刑務所で、マッティ・ペロンパーが登場。彼こそが無表情スタイルの代表格。とは言え、本作の演技は少し感情を出しているようにも思えた。何時もは冴えない役柄が多いが割りとキレ者のように映るのには大いにギャップを感じられたのである。

うん、こいつはオモロイや。カウリスマキ節が満載やんかい。トゥロ・パヤラも哀愁が漂っているし、何より台詞の節々にシビれさせるものがある。距離の縮め方が半端ではなく、二人の絆は意外と深い。

いゃあ、物語の流れも良くて引き込まれっぱなしであった。やはり、この独特なテイストは堪らなく癖になる作風である。マッティ・ペロンパーの幌を動かすくだりは、かなりの名シーンだと思う今日この頃。
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