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クワイエットルームにようこそのtakerattaのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

文学の映像化のリアリティへのアプローチは一定の評価。
慰問で訪れる閉鎖病棟や鎮静房(クワイエットルーム)は、実態とはかなり異なりコミカルにポップに描かれているのは、現実社会の生々しい、偏見に満ち溢れたバイアスが無く、評価点。

ノーマル/アブノーマルのボーダーは、案外曖昧で、女が女らしく、男が男らしく、なんていう時代が、もう前近代的なルサンチマンとして、無駄に作用しようともがいている事は、敢えて言及を避け、観る方の評価に任せたい。

職業偏見の無い、ノーマル/アブノーマルの差がない、男女の性の境無い、その向こうが描けたら面白かったかもしれない。

ただ、切ないほど、現実的で、殺伐とした、哀しい作品になったかもしれないので、そこは、現実の課題として切り分けて、心の奥底にしまって、棺桶まで黙って持って行く事としたい。

全ての患者が、実社会に許される小さな居場所が出来る事を願ってやまない。多様性の社会は、心のバリアフリーに始まる。

あなたは、精神病者と一緒に生活できますか?
素朴にお尋ねしてみたい。
(回答の義務は無いてです。)
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