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少林寺2のmatchypotterのレビュー・感想・評価

少林寺2(1983年製作の映画)
3.4
先日前作を観たばかりで、冷めないうちに続編を。

前作からの話の続き、かと思ったら違った。
全く別の話。
女ばかりが生まれて男の後継ぎに困っている武当剣派。
昔、村を救った時に拾って男の子ばかりを育てて女手がなくて困っている少林派。

川を挟んだこの女ばかりと男ばかりの2大武術。
歪みあって、なかなか交流すら生まれない2つの派閥。

武術とは技の鍛錬や体の強さを追い求めるだけではない。
健やかな成長を助け、俗世間の誘惑から身を守り、純粋無垢に己を磨くことも武術。

しかし、女だらけ、男だらけではお互いの発展はなく、いがみ合いの中、子供達だけは少しずつ距離を縮めていく。

そんな中、かつて村を攻めた賊たちが女だらけの武当剣派に目をつける。
2つの派閥が1つになろうと純粋に認め合おうとする中、悪党どもが内からも外からも邪魔をする。

若きジェットリー。純粋な憲法を習う一番弟子。
動きが凄すぎる。話は前作よりシンプルで子供同士の他愛無い出来事が多く、コメディというか平和なやりとりが多いが、彼の動きはマジ本物。

そして、後半の賊の思惑通りになっていき、いよいよ武当剣派のピンチ、からの大格闘シーン、これは圧巻。
このシーンが全ての見どころと言って良い。

ここがこの2つの派閥が結果的に共通の賊を相手に立ち向かう集大成になるわけだが、このシーンが結構長くて、本当にすごい。めちゃくちゃカッコいい。

長いヌンチャクで男2人の挟み撃ちを相手にするジェットリー、マジ凄すぎる。これ、本当に映画か。少林寺拳法の実践模範の修練用の模擬ビデオとかでは無いのかと思うほどスゴい。

これが観れただけでもお腹いっぱいになる。
前半の男同士、女同士の鍔迫り合いみたいな痴話喧嘩と技の競い合いが、2つの派閥の距離を体現しながら、何とか男児が欲しい派と嫁を迎えたい派の思いを描きながら、最後のこのシーンに全てを持ってくる。

冒頭いきなりアニメーションで始まったり、前半は妙にミュージカル調で、前作と少し毛色を変えてきた印象で、やたらと痴話喧嘩が多くて少し戸惑うが、最後まで観れば納得。

そして、女だ男だを超える拳法の真髄を見せつけられる。

しばらくは剣や棒を持って振り回したい衝動に駆られること、間違いなし。
太極拳とかちょっとマジで習いたくなる。


F:1986
M:860
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