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誘惑のENDOのレビュー・感想・評価

誘惑(1957年製作の映画)
4.5
銀座の画廊。要素が余りに多いので酩酊。昭和初期の思ひ出は『丘を越えて』『東京行進曲』から始まるキャンバス地を重ねた回想!懐疑の塊(独白の多さよ)みたいな登場人物ばかりで落ち着かない。前衛生花のアトリエでの制作場面はindustrialな音響で重なる会話(アルトマン以上)が喧しくて最高!号泣嗚咽する左幸子の小賢しさが押し出されるかと思いきや遺伝垂直性の高いつまり生き写し(母娘一人二役)の芦川いづみに接吻する父の倒錯的純愛が成就する狂った内容だった!カメオ出演に岡本太郎、東郷青児。左の卵白マスク、アイスを胸元にぶち撒けるモンロー的扱いの中原早苗の太腿、高友子の電話ボックス前の接吻、マネキンみたいな扱いのお見合い相手二谷英明と宍戸錠、下品な轟夕起子、特に虱まみれの安井昌二に頬擦りする渡辺美佐子が艶かしくて吐くかと思いました。その他小沢昭一、殿山泰司、天本英世…濃すぎる面子。当初の生花グループの話は瞬く間に後退して濁流のように混沌とした歪な話運びに大満足でした!
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