こーた

ソフィーの選択のこーたのレビュー・感想・評価

ソフィーの選択(1982年製作の映画)
4.2
アウシュヴィッツから生還した壮絶な過去を持つポーランド人女性・ソフィー。精神障害を抱えるも陽気で才覚あふれるパートナーのネイサン。客観的にみると一番組み合わせちゃいけない人間同士が磁石みたいにくっついて離れない悲劇なんだけども、当事者の目線でみると二人の抱える闇は海よりも深く、海底よりさらに深い所で繋がっている感じ。
二人は己の心を守るために気丈に振る舞い、親友に嘘をつき、相手を傷つけあい、その傷を舐め合って生きていた。そこに感受性の強い青年作家・スティンゴが加わる。青年は破滅的で悲劇的な二人に魅せられ愛を知る。
ラストがとてもいい。二人は子供のように安らかに眠る。生きる苦しみからようやく抜け出せたような、なにも心配せずに深い深い眠りにつく。きっとあの青年は彼らの生き様を遺そうと思うんだろうな。
こーた

こーた