検非違使

シルビーの帰郷の検非違使のレビュー・感想・評価

シルビーの帰郷(1987年製作の映画)
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「死ぬまでに観たい映画1001本」1000+241本目

米大陸北部の小さな町を舞台に、自由奔放に生きる女シルビーと、彼女の姪である二人の少女の奇妙な交流を、ユーモラスに愛情深く描出。常識をはみ出し夢に生きる彼女たちの姿が共感を呼ぶ。第2回東京国際映画祭で最優秀脚本賞・審査員特別賞に輝いた。

米大陸北部に連なる山山を映し出す湖の畔にひっそりと佇むスモールタウン。母が車で事故死して以来、ルース(サラ・ウォーカー)とルシール(アンドレア・バーチル)の姉妹は祖母の手によって、この町で成長した。祖母は2人に母のことは一切語らず、いつも祖父の話をしていた。やがて、その祖母も亡くなり、遠縁のリリーとノーナの老姉妹が2人の世話をしにやってきた。祖母に宛てたシルビー(クリスティン・ラーティ)の手紙が届き、彼女が呼び戻されることになったのはその頃だった。シルビーは2人の母の妹で、結婚後、町を出て放浪生活を続けていた。シルビーが戻ったのはそれから間もないクリスマス・イヴのことだった。2人にとってはずっと謎めいた存在だったシルビーだが、会うとその美しさに夢中になった。春の訪れとともに、大洪水がやってきて、家が水びたしになり3人は一緒に2階の子供部屋で寝るが、シルビーは祖母がよく語った祖父の話を2人にした。そんなある日、ルシールが学校でカンニングを戒められた。そして、2人一緒に登校を拒否するようになるが、シルビーは何も言わなかった。いや、2人を全く無視して、自由奔放な行動を続けていた。そんな彼女の態度にルシールが怒りを爆発させ、新学期とともに、態度を一変して普通の少女らしく学校へ通い出し、やがて、ロイス先生を頼って家を飛び出してしまった。残ったルースにシルビーはやさしかった。ルシールの一件を機に、シルビーの生活に対する保守的な町の批判も高まっていた。そして保安官の警告が徐徐に厳しくなると、シルビーは荷物をまとめて家に火を放ち、旅に出発した。彼女のあとにはルースが続き、彼女もまた自由な世界への第一歩を踏み出していった。
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