外野

WANDA/ワンダの外野のレビュー・感想・評価

WANDA/ワンダ(1970年製作の映画)
3.8
男性に養ってもらうことでしか生きられない、何をするにもダメダメな弱者女性。
道具のように自分を使ってもらうことでしか自分の利用価値を見出だせなかったワンダが、理不尽だけど、一緒にいると居心地の良いデニスに依存していく様は切ないしやるせないのだが、ワンダが居場所を見つけて自己肯定感が少しずつ上がっていく様にどうにも愛おしさを感じた。
最後の抵抗は、デニスに育まれた自己肯定感の現れなのかもしれない。
自分の価値ってなんだろう。先に未来や希望がない人生でも、それでもしがみついて生きていくことしかできない。

1970年の映画とのことですが、自己肯定感の低い人間、底辺層の生き方という面から、今の時代にも通じるものがありました。
自分は自己肯定感が低いタイプなのでワンダに共感、同情できる部分が多々ありましたが、自己肯定感や自尊心がある程度ある人には映画自体がつまらないと感じるかもしれませんね。
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