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メトロポリスのpenguinのレビュー・感想・評価

メトロポリス(1984年製作の映画)
3.8
昭和2年にドイツで作られた、サイレントのSFスペクタクル。オーウェルの小説のような(オーウェルの方が後なので、あるいは彼もこの作品を観たのかも)ディストピア未来世界が描かれる。人間−キリスト−神の構造を労働者−媒介者−資本家に敷衍して、「資本家と労働者の対立を納める為に媒介者はどうすべきか?」というテーマが展開する。それにしても『屋根や教会の塔で悪役とヒーローがヒロインを巡って闘う。その過程で教会の鐘が鳴り響く』というアクション映画のお約束シチュエーションが出てきたのは笑った。この様式の起源は古いのだろう。役者の演技が古い舞台演劇のようで、舞台から映画に移ってゆく過程の変容がよく観察できた。
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