おれさま

地下幻燈劇画 少女椿のおれさまのレビュー・感想・評価

地下幻燈劇画 少女椿(1992年製作の映画)
3.5
"みどりちゃん見世物小屋へゆく"

はじめに言っておきますが、人を選ぶ作品です。倫理観が破綻している作品、とだけ言っておきます。趣向を変えましてアニメ作品。

丸尾末広原作の少女椿。
今回は珍しく、あらすじを添えて。

母を亡くし、孤児となった少女みどり。
親切なおじさまの紹介で見世物小屋の下働きとして一座に入るものの、異形な者たちから受ける虐待・陵辱と狂気的な日々を過ごす。
そんなある日、窮地にある見世物小屋の救世主となるべく、小人症の幻術師"ワンダー正光"が一座に雇われ、みどりの環境が大きく変化していく。
ワンダー正光の活躍により、復活を遂げた一座。そして、次第にワンダー正光へ惹かれていくみどり。ある事件を機にワンダー正光と2人、一座を旅立つことを選び、ようやくしあわせが訪れるはずであったが…まあこんな感じでどうでしょうか。

街頭紙芝居であった『少女椿』を丸尾末広が脚色を行い、カルト的人気を博した漫画のアニメ化。
とにかく不穏なBGMとカオスな映像。
生々しい描写、観ている人を不快にする極み。

踏み殺される犬の描写や内臓を食いちぎるネズミと、こんなレビューを書いてるこちらが躊躇するほど。
そして最強のパワーワード、眼球舐め。

おそらく、ここまで読んで観ようなどとは思わないでしょうが、残念ながら本作の視聴はかなり限られたものとなっております。空港の税関によるマスターフィルムの破棄、日本国内での上映・販売禁止など時代によって制限されてしまっている非常に貴重な作品です。

単行本は常に手に入るようですので、ぜひ。
自身はポチりそうになる程に惹かれました。

興味はあるものの、あまり手にすることのない"ガロ系"ジャンル。いわゆるアングラ界隈で流行った独特な作画・内容の作品たち。商業性よりも独創性に特化しており、究極に人を選ぶ系統作品群ゆえに相当なカルト的人気だった模様ですね。ちょっとその時代に生きてみたかった。
ガロの意味も 我々の路 で "ガロ" だそうで。かっけえ。
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