このレビューはネタバレを含みます
砂漠のカフェに訪れたドイツ人の旅行者の女性が、バグダッドカフェの住民たちを癒して、正気を与えていく。
みんなが仲良くなっていくに従って、タトゥーを彫る女が出ていくのが象徴的。
ドイツ人の女ジャスミンはいかにも母性を連想させる体型と雰囲気。掃除をして、子供達の面倒をみて、手品などで人を楽しませる。母、家庭の女性のアーキタイプと呼べるような存在感、役割を見せていく。
生活に疲れてギスギスしたカフェの黒人女主人の家庭と心に潤いと楽しさをもたらすジャスミン。
カフェの住人たちが、黒人だったり、ネイティブアメリカンと思われり人だったり、芸術家の男だったり、アメリカ白人文化の中心にいない人たち。また訪れるのは白人トラックドライバーが多いがこれもまたアメリカの中心ではない人たち。
日本のマレビトのように外からやってきて日常生活を活性化する存在としてのジャスミン。彼女が結婚を申し込まれて、本当の定住が始まる前にこの映画がブツっと終わるのは潮時でバッと終わらせるのでよかった。