SatoshiFujiwara

スラヴォイ・ジジェクの倒錯的映画ガイド2 倒錯的イデオロギー・ガイドのSatoshiFujiwaraのレビュー・感想・評価

3.5
2015.04.28 新宿パークタワーホール(イメージフォーラムフェスティバル2015)

ラカン派のヘンタイ哲学者にして映画マニア(いわゆるシネフィル、ではないだろう)ジジェクによる屈折した映画講義。昔「映画芸術」の編集長だった小川徹という批評家がいたが、その人の「裏目読み」ってのを思い出した。とにかく観たまんまには解釈しない。裏の意図を読む。本作、「ジョーズ」の鮫はベトナム戦争後に自信をなくしたアメリカに対する外国からの攻撃、移民の流入を意味しているとか、その手の読みだらけ。かなり理屈っぽく難解な話も出てくるが、ザックリ言えば映像の背後に隠されたイデオロギーを探り当てる試み。正直真面目に受け取るべきなのかジョークなのか分からないが、ジジェクのパフォーマンスもあって終始全く飽きさせない(ディカプリオが海に沈む「タイタニック」のワンシーンをジジェクが演じております)。イメフォからソフト化希望。第1弾の「倒錯的映画ガイド」は出ている。
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