『死』を目の前にしてもゆるく生きていける2人の男。そのゆるさが心地好い。目前に『死』が迫ってきているにも関わらず、悲壮感はなくストーリーが重くない。むしろ、爽やかな潔さを感じるのが凄い。
脳腫瘍と診断された男と骨肉腫と診断された男。どちらも先は長くない。入院先で意気投合した2人は海を観に行くことに。
『天国じゃ、みんな海の話をするんだぜ』
海への道中、マフィアに絡まれたり、お母ちゃんにピンクのキャデラックをプレゼントしたり。
『死』を目の前にしてもばたばたせず、いつもと同じように生きている2人の男。2人の時間が永遠に続くことを信じているように、2人は歩むスピードを変えない。
ストーリーは何てことはないと言えば何てことはない。でも何でこんなに好きなんだろう。僕の目の前にも海が広がっているかのように、この作品の余韻に浸っている。