重い病で余命いくばくもない男二人が、残り短い時間で海を見にいくまでの逃走ロードムービー。盗んだ車で病院を抜け出した二人は、その車の持ち主のギャングに追われ、また道中強盗を働いたことから警察にも追われる中で、追っ手をかいくぐり命を果てさせるべく海にたどり着く。
レトロな色調と気だるいアンビエントな劇伴。
昔のドイツ車のオイルの匂いがしてきそうな、なんとなく全体的に漂う浮遊感。
殺し屋に追われながらも劇中誰も死なないある種のコメディ的安心感。
死を真正面からではなくハスに構えて受け入れていく陽気でキュートな二人が、最期に海を見ながら脳裏に浮かんだことを想像する、という映画として質の高い読後感が気持ちいい。
天国じゃ雲に座って海の話をするなら、死後のお茶飲みも悪くはないね。
人生に悩んだ時の映画頼みにこの一本!