スズキコウイチ

ノッキン・オン・ヘブンズ・ドアのスズキコウイチのレビュー・感想・評価

4.7
ギリギリだけどユーモアがあって、寂しいけれど友達がいて、アツいのにクールでお洒落で、欠落してるのに何処か満ち足りていて…

場面展開、シーンの繋げ方も素晴らしくシーン1つ・一挙手一投足さえも味を感じるくらい冴え渡っている。何度でも見たい。


新聞(メディア)の報道なり、今に置き換えればあらゆる事に突っ込まれレッテルを貼られて、くだをまくようなワイドショーなど、所謂世間一般から見ると悪者扱いされてしまうだろうが、
視点を変えればどうとでも見えるだろうし、ヘルシンキ・シンドロームと言われてしまうのも無理はないと思う。
だがしかし、只の、ベッドが隣り合わせだった2人が友を超える何かをこちらに、少なくとも自分は見たのは確かで、
海を見てこい、と解放したマフィアのボスの気持ちもわかるし、寿命ゆえの犯行(反抗)であるから犯罪であるとも取れる。見方は色々あると思う。

しかし、2人を悪とする事は正直できない。
知りもしない人に金を送ったり、関わった人に金を渡したり、これを善意だと感じる訳ではないけれど、これに限らず、2人の、得もいえぬ素晴らしさを大いに感じた。