滝和也

宇宙大怪獣ギララの滝和也のレビュー・感想・評価

宇宙大怪獣ギララ(1967年製作の映画)
2.9
愛には勇気が必要だって…
ギララが教えてくれたわ。
えっ!??
東宝にゴジラ、大映にガメラ!
そして松竹にはこいつ!
火の玉となり空を飛ぶ!

「宇宙大怪獣ギララ」

先行する特撮怪獣映画のヒットを受け、人間ドラマの松竹が満を持して製作した特撮怪獣映画なんだけど…(笑)なんか…面白くないわ…これ…。

火星探検を目指す日本政府は富士裾野からAABガンマー号を打ち上げる。謎の未確認飛行物体に妨害されながらも進むが、突然謎の物体がノズルに取り付き、航行不能となる。救助ロケットにより救われた彼らは謎の物体と共に地球に帰還した。そして…謎の物体は大怪獣となり暴れ始める…。

普通のストーリー。定番なんです。ありがちなのでそれなりに楽しめるのかなと思ったのですが…まぁのんびりしてる。結論はこれかなと。

ストーリーを書いたんですが…上記で半分終わってしまう。怪獣映画で怪獣を引っ張って出すのはわかるのですが…そこまでに緊張感がないと。それなりの事をしようとしているんですが…なんか緊張感がない。月面によったり意味あるのかなと。乗組員入れ替えでその医者がスタトレみたいに文句言いだったり。他にも僕らの作った未来世界はどうですか…みたいな(笑)

更に妙な恋の鞘当てみたいな展開がむず痒い…冒頭の血迷った台詞がこの作品を台無しにします(笑)…。いや…見たらわかんだろレベルの大人同士の片思いの三角関係が果たしているのか…あっ!?
ゴジラのオマージュか(笑)そう言えば三角関係だったけども…緊張感が違いすぎて気付かなかった…。確かにギララ登場シーンもゴジラと同じアングルで山の向こうから現れますからね…。ゴジラをお手本にしてるんだ…。

でも!科学公証がやたら緩かったり(核の扱いが無理無理…)、大怪我シてる方が次のシーンで走ってたり(皆で助けたのはそのシーンやりたかったからか?)、なんでギララが負けるのかとかも弱すぎてわからん…と。

ギララ自体のデザインは新しいかなとは思いますが…シンプルじゃなくて、なんかバッタモンくさい…。カエルと宇宙船のハーフみたいな顔、ゴリマッチョな腕と…。特撮の醍醐味破壊シーンや自衛隊との戦闘シーンは…松竹初めての割には普通にできていて、それなりの迫力。悪くはないですが…繋が下手で単調なんですよね…。更にBGMが二種類しかない。単調になりがちな理由はこれか…。同じ曲が延々かかってる。しかも歌入りだと倍賞千恵子さんが歌ってる…青春歌謡…。さすが松竹だわ…。

ひとつだけ褒めるなら…当時自衛隊の最新迎撃機ロッキードf-104スターファイターの造形が◯。更に編隊攻撃シーンがカッコいい。ここがプラモ好きにはたまらないシーンでした。

この一作で松竹は諦めてくれるんですが…良かったんじゃないかなと。似合わないよ。ホームドラマがメインの松竹さんには…。(でもガンダムの配給は松竹だったんだよなぁ…)
滝和也

滝和也