カンヌ監督週間選出作品。
生きる情動と死の衝動、即ちエロスとタナトスの相即不離の関係が人間の本能を極限まで剥き出しにした結果として顕現してくるシンプルな構図に畏怖。ギリシャ神話に対する造詣が深ければもう一つ上の境地に行けそうな気もする

複雑な家庭で育ったゲイの青年アンゲルスはミカエルという男と出会う。元恋人からミカエルの素性の悪さを聞くが、聞く耳持たず。やがて彼から女装して男娼をするように言われ、男娼をする様になるが・・。実話をもとにしたという悲劇で、同性愛に対する風当たりが強く、同性愛狩りの様なものも行われている世相である。金ヅルとしか見ていないミカエルから離れられず、言われるがまま男娼を続けているアンゲロスが哀れである。ちゃんと仕事も出来、軍隊でも普通にしていた彼ならば、そこまで泥沼にはまらなかったろうに。