尿道流れ者

転校生の尿道流れ者のレビュー・感想・評価

転校生(1982年製作の映画)
4.5
階段を転がり落ちた男女が入れ替わってしまうという定番の展開から始まる青春映画。
ジェンダー差別とも言えるほどに男女差を強調させた入れ替わった二人の言動の違いが面白い。尾身としのりと小林聡美の演技は素晴らしくて、尾身としのりが可愛く、小林聡美はかっこいい。
コミカルに演じられる二人の入れ替わりは思春期の猛烈なエロティックを含みながらも悲しみや苦しみを感じさせる見事な描写。特に小林聡美の男としての演技はとてつもなく、おっぱいやパンツの晒し方は女としての恥じらいは微塵もかんじさせないまさに男そのもの。

ベタな展開だが、それゆえに安定した笑いとドラマがあり、分かってはいるけれどドキドキし、笑ってしまう。既視感と期待感が入り混じった展開にはどうしてもワクワクしてしまう。

この映画の最初と最後は白黒で中盤はカラーで撮られている。入れ替わる前と戻った後が白黒で、入れ替わり戸惑いながらも生きていく姿をカラーで写している。まるで青春の醍醐味が揺れ動く心にあるとでも言わんばかりの演出だが、それには大賛成で、葛藤する二人の危うさや不器用さは苦くも美しい。