くりふ

激突!のくりふのレビュー・感想・評価

激突!(1971年製作の映画)
3.5
【モハベ砂漠でちんこ勝負】

U-NEXTにて。大評判となったTVムービーで、スピルバーグの出世作ですね。

テクニカルには良く出来ていて、いまだに感心しますが、現実的な恐怖感としては、時代が変わりすぎて賞美期限キレかなと思う。

これが携帯電話と、カーナビと、ドライブレコーダーがある現代なら、謎の巨大タンクローリーは、謎のままではいられないでしょう。

それに今では、わざわざ砂漠に行かなくとも生活圏内で、アオリ運転してきた相手が逆ギレして、降りて殴り込みに来るからね!コワイのは凶器より、凶気でしょう。

今回、奥さんと電話で冷戦するシーンは、劇場で公開するために追加したと知りましたが、お陰で性的な意味が加わって、味わい深くなったと思う。

小心者の主人公は、奥さんを満足させられていない…と思える。そこに、あの巨大ペニスのようなタンクローリーが襲ってくるわけで、2台の車はちんこ勝負…サイズと“性能”で戦っているように見えてくる。

しかし、その“DUEL”の結果が虚しいのは、精力絶倫“FUEL”満タンで、大爆発するかと思われたアチラが…ええ!?という決着となることかなーと。コレ、ものすごく青筋が通っている結末だとおもう。www

また、スピルバーグはこの頃から既に、破綻家族を描いていたのかと感心するのでした。

爆走車を低視点から撮るのは威圧感が効いていますが、MADMAXシリーズにも引き継がれていますね。

<2024.4.9記>
くりふ

くりふ