あにお

激突!のあにおのレビュー・感想・評価

激突!(1971年製作の映画)
4.3
シンプル・イズ・ベスト。幼少時にテレビで観てすげー怖かった記憶だが、強く印象に残っているのは映画そのものよりもむしろ、淀川長治氏の解説だった。これほど「怖いですね、恐ろしいですね」のセリフが似合う映画もなかった。
トラックも監督が“オーディション”で選んだらしい。いわゆる“ボンネットトラック”にしたのは“顔”があるからだって。実物を間近で見たことがある人じゃないと分かりにくいが、あの、そそり立つようなラジエーターグリルの迫力は、平べったい顔のトラックの比ではない。専属の“メイクさん”が何人も付いて表現したというサビ・汚れも恐怖を倍増させる。
ドライバーの人物像をはっきり見せないことでトラックそのものをモンスターのように演出しているが、ドライバーの存在感も適度に示すことで、人の心の怖さも見せる、そのバランスが絶妙。
ていうかたったの13日間で撮影したの?どこの天才だよ。

それはさておき、久々に観て驚いたのは主人公の車の色が赤だったことだ(昔の記憶には車の色までは残っていなかった。ベージュか茶色っぽい地味な色かと思ってた)。プリムス?名前は聞いたことあるけどよく知らない。でも赤い色いいね!車と言えばやっぱり赤だよね!!と思ってたら、監督のコメンタリーで「主人公の車は、車種はなんでもいいけど色は赤と決めていた」って言ってて笑ってしまった。
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