モモモ

銀座化粧のモモモのレビュー・感想・評価

銀座化粧(1951年製作の映画)
3.9
やっぱり僕は「兄妹」「姉弟」そして「親子」に弱いですね。特に母と子。マザコンなので。
「大人の恋愛」とはこんな事を言うのだろうなぁと上質な気分になれる傑作。
映画が始まってから「金を借りに来る男」「賭け事で儲ける男」「食い逃げする男」と、もうロクでも無い男しか出てこないので頭を抱えてしまいましたね。いつの時代もこんな男しかいないのだろうか日本には。
そんな中でも特に「よく分からん倉庫」で事に及ぼうとする男が個人的には本作のロクデナシNo. 1ですね。今時の高校生でももっと場所を選びますよ。
そんなどうしようもない男達しかいない東京に、やっと現れた地方の優良男子。初々しい恋心を抱くも、最初から最後まで相手には異性として見られず。子供との約束を捨ててまで会いに行くので「おいおい…」と呆れていたら、やはり最後には子供の元に帰ってくる。
母親はどこまでいっても母親で、若人との恋愛なんて夢の中。そんな「諦め」に近い様な侘しい思いを抱いてしまうが、人生は続くし、子供は側にいる。
「男はつらいよ」を見ていると当時の日本を追体験出来る様で楽しいが、成瀬作品にもそんな「旅をしている」感覚を錯覚してしまう瞬間がある。
世の中ろくでもないが、そう悪いことばかりでもないし、愛は確かに存在するのだ。
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