まここ

早春のまここのレビュー・感想・評価

早春(1970年製作の映画)
4.3
色って強烈なインパクトを放つものなんだなって改めて感じました。
赤い血、緑の壁、青いプール、黄色いコート、白い雪の中の体操着‥白でさえも浮き出て印象を与えてくる。赤は特に車や自転車、ペンキなどに変化して、移りゆく色の世界をぐちゃぐちゃにかき乱していくかのようにマイクの恋は狂気的に満ちていく。
誰かを追い求める時って本人は無我夢中でそれしか見えてない。それが映像を通して見失ったり、突然捉えてりで面白い。
ホットドッグのシーンは特に好き。一回買うだけかと思いきや何度も何度も、顔見知りもいいとこで笑ってしまう。店員が変に思わないとこもいいよね。

「暴力」を描いている作品だって言っていたけど、基本的にうわって目を覆うようなことはなく、何があっても立ち上がっていつも通りにしようとする人たちが何だか愛らしくも馬鹿らしくて‥欲にまみれた人間って側から見てると異常。
想像してた以上にそれぞれの気持ちが強くてひたすら魅入ってしまった。

またじっくり観たいです。
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