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早春のERIのレビュー・感想・評価

早春(1970年製作の映画)
4.3
「早春」がデジタルリマスター版で劇場上映されるということで観てきました。1970年の映画だけあって、今の時代だと色々とダメなものも全部、描かれていました。当時はどんなふうに受け止められたのだろう。15歳のこじれっぷりやこの当時の大人のダメさも含みつつ、少年が男になる前のうやむやした人間らしさが愛おしい。面白かった!

ジョン・モルダー=ブラウン演じる15歳の少年マイクが兎にも角にもハンサム(敢えてハンサムと言うけど)で何をしてても絵になるのです。

俺は今夜死ぬかもしれない。というこの思春期の衝動と妄想と執拗さが、素晴らしい音楽とこの当時のポップな街並みにミックスされて、いつの間にか応援しちゃう。純粋がゆえの狂気的な感情と行動。どうにか彼女を引き止めたくて非常ベル鳴らしちゃうとか、裸の等身大パネル盗んでダッシュしちゃうとか、プールの中での彼女との会話とか。全てが赤裸々で、マイクにはもちろん駆け引きとかそういうの一切なくて、それがたまらなく痛い。まさに早春。

スーの小悪魔ぶりもいい。黄色いレインコートや赤毛の髪も、憧れの対象としてとても魅力的。働く先の少し年上のお姉さん。

もう色々とアウトなんだけど、周りが見えない時間って意外と大事なんじゃないかと思う。映画館で観れてよかったなぁ。
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