tsura

早春のtsuraのレビュー・感想・評価

早春(1970年製作の映画)
3.6
監督は美少年が裸の女性を抱いて水中を漂うあの画を撮りたかったんだろうな。

それにしてもあまりにも。

少年から青年へと脱皮を図る過程は極めてアンバランスな残酷さと美しさを兼ね備えている。

その瞬間を切り取る事の凄みがこの作品には、ある。

しかし現実に横たわる性の葛藤はもっと肉肉しい。

クライマックスでスーザンへのセックスに対する爆発はあまりにもリアルでそれ故に残酷さが爆発した描写だった。


それどころかあまりに少年から青年へと変わろうとする思春期の描き方が凄い。

彼女への好奇心や裏切りから些細な事から大きなイタズラまで拗ねて、ゴネての捻くれ方は感情移入が難しく、あくまでも子供的過ぎて稚拙過ぎて失笑。

あげく彼の性欲と恋心は食欲というバロメーターすら狂わせてしまう描写には更に失笑。

何もそこまで如実に演出すべきだったか。
その辺りの温度差があり過ぎた気がする。

彼の性の好奇心や恐怖は風俗嬢との絡みでしっかりわかるのに。

美しいが故にそれが歪む事です増す美しさとでも言おうか。
はたまた美と醜の隣り合わせといおうか。

それを見るには良い映画。



それにしても美少年だったなぁ🤤
tsura

tsura