春21号

早春の春21号のレビュー・感想・評価

早春(1970年製作の映画)
4.0
童貞も極まれば人も殺せるという映画
自分では大人な筈なのにでも違って…なありがちな思春期ものに学校という環境を完全に無くしたのがこの映画の特出すべき点であり彼の地獄の始まりだったのだろう

彼は間違いなく子供でまだ大人では無いのだけれど彼が身を置いてる環境は子供の世界では無い
客にシャンプー持っていきゃセックスを求められたり先輩の女の子は売春していたり日常的に大人の世界の性の部分を感じさせられるのだ。

彼の身は引き裂かれ最後には悲劇を起こす
例えばそこに学校があれば周りの連中もイカクセェ連中だからまだなんとかなったのだろうけどなまじ時間もあるし金もあるしでドンドン泥沼になっていく
そしてこの映画、青春映画なのに主人公の友達にあたる自分が一人も出てこないんだよな
居ないんだろうけど、それが歪みを表しているというか…

ぼくのえりとかタクシードライバーとかにも影響を与えていると思う。
大人になりたかったというよりは子供の体で大人の世界に浸かってしまった悲劇というか…喜劇というか…
話運びとか編集とかハッキリ良くないところも多いけど最後の展開なんかは忘れられない歪な傑作 まさにカルト

いやぁまたすごいの観ちゃったな…
春21号

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