監督の優しさが画面いっぱいに滲み出ている。
ただ子どもが遊んでいるシーン、ただ町の人たちが楽器を演奏しているシーン、そんな場面でさえ、ずっと見守っていたいような気分にさせてくれる。
みんなが愛に満ちて動いているからこそ、何が起ころうが誰かを責める気にはなれない。いい意味で、この物語がどうなろうが全てを受け入れる準備が途中からできていた。それくらいこの映画の人々を好きになっていた。
いくつになっても、忘れられない恋はある。おじいがやたら、おばあも若い頃はおっぱいが大きかったとか、エロいことばっかり言ってて最初はなんやこいつと思っていた。でも見終わってみると、エロも含めておじいちゃんもまだ誰かを好きでいる気持ちがあることの現れだったのかと思うとしっくりきた。
また観たいと思うけれど、初めて観たときの感覚がすぐに恋しく思える映画だ。