骨折り損

π〈パイ〉 デジタルリマスターの骨折り損のレビュー・感想・評価

3.5
アロノフスキー監督の才能の原点を感じられたのはとても面白かった。

『レクイエム・フォー・ドリーム』や『ブラック・スワン』、『マザー!』に通ずる演出が随所に見られて、洗練される前の煮こごりのような癖を見られた気がした。

だが、正直かなり今作を楽しみにしていたからこそ結構よく分からなくて乗り切れなかったのも事実。

数学こそがこの世の全ての道理を証明できると信じる数学者が数字に取り憑かれていく設定は興味深く、前半は惹き込まれたが、なんだか後半結局何を言いたいのか理解しきれなかった。

理解とは別の観点で楽しめる映画もたくさんあるが、今作は主人公の目的や映画の向かう方向が見方として自分の中で定まらず、とにかく映像を浴びて楽しむような感覚にはなれなかった。
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