水のまち

夏物語の水のまちのレビュー・感想・評価

夏物語(1996年製作の映画)
5.0
ロメールが夏に甘い。と、潮風になびく前髪を整えたら即キュンが始まり、賑やかな街で、一人で歩く疎外感から一気に晴れ渡る。恋の話で心の距離が近づいていくのに、友情の距離感で散歩する二人の微笑ましさ。寄り添い、曲を創造する至福のデュエット。神様の思し召しかと思える、再会。三つの甘みが混ざり合った苦み。三人の女の間で自分は誰を愛しているのか分からなくなってくる多幸感あふれる苦悩。ことが難しくなりすぎて、電話越しに頭がクラクラなるあたりのSchool Days既視感で胃が痛たい。そして、最後に愛とは何かで、ずっしり切なく終わらせてくる高低差が最高過ぎる。そう、夏のせい。
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