水のまちさんの映画レビュー・感想・評価

水のまち

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映画(1430)
ドラマ(0)

マンディ 地獄のロード・ウォリアー(2018年製作の映画)

3.5

血塗れのBlack Metalの皮をかぶったDrone Doom。ストーリ仕立てのアルバムのような復讐劇に、何かを求める方が野暮なのか。精密に描かれたジャケットのような様式美のpsychedelicも>>続きを読む

5つ数えれば君の夢(2014年製作の映画)

4.0

普通なんていうものは定かでないが、当たり障りのないように普通でありたいと思う心は、少し普通ではないということのコンプレックス。言うなれば、まるでE♭。薄暗いところへと、柔らかくも真っ直ぐな光がさすよう>>続きを読む

日本のいちばん長い日(1967年製作の映画)

4.5

説得力。

阿南惟幾の割腹自決と、指で押す抗議のハッシュタグ。そう比べたら、平和な時代になったわけだが。

シテール島への船出(1983年製作の映画)

3.8

完成形と思われたイデオロギーも崩壊し、止む無く故郷に帰ったが、妥協できない精神の為、また疎外。さざなみを立て、靄の中へと吸い込まれていく、飽くなきユートピアへの探求の船出。その行き先が土地ではなく、隣>>続きを読む

GO!GO!L.A.(1998年製作の映画)

3.5

曇りがちなオフビートな冷たさと、夕日の似合うロマンスの熱が、どうしたって混ざり合えない滑稽さ。ただ素直に笑わせてくれないのは、身に覚えのあるような、それが恋の話だから。ここはハリウッド、映画の中でしか>>続きを読む

風が吹くまま(1999年製作の映画)

3.7

”生活”という二文字に、生きとし生けるものの全てが集約されているかのような一片。果てもわからぬ広大な宇宙の中で、生きているようであり、生かされているようでもある、この一つの命の中に、善と悪とでは理解し>>続きを読む

水のないプール(1982年製作の映画)

3.8

平凡は幸せに違わないけれど、退屈のようで、欲望が満足してくれるわけもなく。家庭に、夫や父親としての居場所はあっただろうが、男としては窮屈だった。違う時代を生きている若者たちの自由奔放さに、生真面目に生>>続きを読む

ミラノカリブロ9(1972年製作の映画)

3.6

ダイナマイトの長い導火線の猶予。犯人は誰だ?、と、太陽の下、9mm口径の咆哮。女に欲情し、鼻の穴からタバコの煙を出す硬派さは、伝わるほどに熱かった。事件も設定もわからぬままに進む、続編なのか?と思わせ>>続きを読む

恋恋風塵(れんれんふうじん)(1987年製作の映画)

4.3

必死に生きぬいたあの頃の、何も出来なかった空白の刹那。暗やみを走る、爆竹の導火線の灯り。恋だと知った痛み、それはなぜか美しい。

バーフバリ 王の凱旋(2017年製作の映画)

3.8

とにかく全部がデカい。規模なりの視覚的な部分だけでなく、思考の規格がデカいことに驚かされる。そして、皆を愛し愛され、強い信念をもつバーフバリは、まるで完璧な人間のようで、とにかく格好良いのだ。AIとか>>続きを読む

ブランカとギター弾き(2015年製作の映画)

3.6

自分の力だけではもう戻れない、深い深い穴の底。その暗闇から聞こえてくる、ふたつの孤独が寄り添う音色は、目に見えないのにオレンジ色だ。屋根も、壁もないけれど、そこは彼女の帰る家。ただいま、おかえり。溢れ>>続きを読む

ニューヨークの巴里夫(2013年製作の映画)

3.4

日本語で”人生”と言うと、なにか重たく聞こえてしまう。だからこの映画には”La vie”の方が相応しい。しかしながら、”La vie”が重たくないものなのかは、本当のところよく分からない。ただ、その語>>続きを読む

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

3.3

外に漏れないイヤホンをつけ、誰に気兼ねすることなく、自ら選んだ、自分の為の音楽を聞いている。好きになった彼女の名前を、誰かが歌っていたならば、それは運命のようだと、片耳だけのイヤホンから、マーク・ボラ>>続きを読む

パターソン(2016年製作の映画)

4.6

習慣がドアを開ける瞬間は、漏れる陽がそうさせるのか、しばしの別れがそうさせるのか、まだ心の中にいたかったようだ。大切なものを守る鍵をして、日に決まって二周まわる短い針の四次元へ、決心とまではいかない目>>続きを読む

群衆(1941年製作の映画)

3.5

文明社会とは聞こえはいいが、結局は、金と権力とで情報を操る、極一部の上層階級が生き残る為の社会であり、その他大勢として庶民が苦しむのは、今も変わりがないようだ。生活苦の憤りの行先は、どこに向かえば良い>>続きを読む

砂漠の流れ者(1970年製作の映画)

3.4

人は死んで土に帰るが、砂漠では土というより砂であり、死生観さえ、平然と、乾いているようだ。必死に生き延び、愛に喜びを感じ、そしていつか死ぬだけの、たったそれだけのこと。それ故に、悩んだ答えの不条理さが>>続きを読む

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)

3.2

抑々、生きるということは何故こうも苦しいのだろう。平安なのであれば、端から神は誕生していなかったのではなかろうか。そう思えば、神が天地を創造したのではなく、人が救いを求めて神を生み出したに違いない。沈>>続きを読む

爆裂魔神少女 バーストマシンガール(2019年製作の映画)

2.5

ターゲットスコープを、タモリ言う所の安産祈願マークにするほどの、いかがわしさには、内容なくともパンチラはある。希薄な物語性のせいで、エロとグロしか印象に残らない、小林勇貴らしさ。花影香音はどこへと行っ>>続きを読む

幻の光(1995年製作の映画)

3.3

ペダルをこがなければ倒れてしまう自転車に、二人で乗れば重さも倍だが、何故自殺したかは、わからない。鈴の付いた鍵を残して死んだ彼が、何かを語るはずもない。生と死の間には、ある程度の距離があると思いたいが>>続きを読む

翔んで埼玉(2018年製作の映画)

2.0

関東ヒエラルキー(平野なのにね)において、絶対的頂点に君臨する東京。そこから見下され、迫害をうける埼玉。そこまでされたら革命しかないでしょ、と言わんばかりにメラメラと燃え始める埼玉県愛。一都六県巻き込>>続きを読む

バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985年製作の映画)

3.0

”諸君を未来に連れて帰ろう!”
ロナルド・レーガン大統領の演説。
崩れたアメリカン・ドリームの再生、30年間のアメリカの歴史が詰まってたなんて、誰かさんの解説を読むまでは知らなかった。でも、やっぱりそ
>>続きを読む

仁義なき戦い(1973年製作の映画)

3.4

戦争が終わって平和が訪れるのなんて、勝利国だけ。何も無いところから始まって、何処で道を間違えたのか。
窮地に立った日本映画の決起に、手持ちカメラの荒々しさと、男達の必死、熱い。

ワイルド・アット・ハート(1990年製作の映画)

4.7

22ヵ月と18日後。
待ち焦がれた彼と夜の町へと繰り出す。彼が歌う愛の歌が、深くまで響き、濡れた。二人と二人以外の世界、飲み込まれないようにと狂ったように踊る。それでも虚しく、誰もが想像もしなかった望
>>続きを読む

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

3.6

発端は、その家に生まれたこと。経験は、その家で生まれたこと。殺人、自殺、貧困の末、生活さえもが首を絞めにくる。地上よりも低いところへは、微かな光も届かないような、黒よりも濁った色した救いのない世界で、>>続きを読む

LUCY/ルーシー(2014年製作の映画)

3.0

メタンフェタミンに、覚醒剤というキャッチな商品名をつけた大日本製薬のセンス。落ちた灰の重さで広がった五次元の空間よりも先にあった、想い出波止場の22次元。音が音楽に聴こえる4’33”の理論。ニューロン>>続きを読む

FRANK ーフランクー(2014年製作の映画)

3.8

My Wayに思えたFRANKが、自分への評価に目の色を変えるあたりの、Independentシーンの赤裸々さが、切なく沁みる。自由であるが故に、終着地もないような音楽という宇宙に、バランスを崩した時>>続きを読む

犬ヶ島(2018年製作の映画)

4.5

告発のように、映画という虚構にはまる陰謀説。どちらも同じく作り話。ただ、歴史もまた同じく誰かが作った話とも言えないだろうか。何故舞台は日本なのか?小林市長とは誰のことなのか?犬を追いやり猫の国への意味>>続きを読む

ロスト・リバー(2014年製作の映画)

3.7

この苦しさに正気ではいられないから朦朧と、暗い街の光が滲む。ただ生まれただけなのに、生活は殺されていく。あれとこれとで狂ったのだろう、もう打つ手がないほど今は窮地。それでも簡単に死ねるわけでもなく。心>>続きを読む

テルマ&ルイーズ(1991年製作の映画)

3.4

倦怠期のち反抗期。楽しくなるはずの日常からの逃避行は、尽く悪い方へと転がり落ちて、警察からの逃避行へと変わる。女であるが故の男という生きものの罪。被害者であるにもかかわらず、彼女たちにも明日はない。

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

3.0

誰もあなたが分からないように、あなたも誰も知らないのだろう。何かを変えるだけの力なんて本当にあるのだろうか。力が何かを変えたとして、それが成功といえたことが幾つあるのだろうか。虚構の続き、初めからなか>>続きを読む

このマンガはお前の脳をダメにする(2008年製作の映画)

5.0

そう、もうmindの話。言わば、Dimensionの放射。pizzaの等分にも見え隠れする、宇宙の真理、みたいなこと。

Inversion Layer(2003年製作の映画)

5.0

最初に描きたいと思った物が、一瞬たりとも形状を維持出来ない「煙」だったから、アニメーション作家になったのかなって思うくらい、モクモクと進んでいく話。全ての異様な形態が、同じ“線”で出来ていることの、当>>続きを読む

プロメテウスの庭(1988年製作の映画)

5.0

発生から形成と消滅へのプロセスの根源に、“this is the best”で止まれない“hungry”。平面でも過剰な情報量を変化自在な立体で表現するエキセントリック神話。創作を義務という、受信しち>>続きを読む

獣たち(2018年製作の映画)

3.5

ひとつの噂、ひとつの事件。私は見た、私だけが真相を知った、真相が何故か真実と重ならない。否、秘密を共有、そして創造、これは恋だ。危うい十代の夏休み、好奇心が背中を押して、大人の戯れ。成長と言うよりも覚>>続きを読む

儀式(1971年製作の映画)

3.7

セレブの血。誰の子だか分からない時、どういう縁か分からない時、後ろに眼光鋭い御祖父様の顔が見える。重い家督、逃亡、追行、生き埋めまで。結婚式と葬式でしか会わない人達。初夜と通夜が重なった夜、人は狂った>>続きを読む

ガルヴェストン(2018年製作の映画)

3.5

優しさとは無縁の世界から目を覚ますと、生まれてまだ三年半しか経っていない少女がいる。たしかに、可愛い。
思い出の中を歩く彼女が振り返り、そして笑う。まだ理想を語っただけだったのに、戻らない時間の最も悲
>>続きを読む

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