いはん

夏物語のいはんのレビュー・感想・評価

夏物語(1996年製作の映画)
4.3
これはまた、うまく話だね。
最後の奇跡の電話がなければこの映画はどんな結末を迎えたのだろうか。

私たちは、眺める側。
男の視点で進む物語を。
どうしてマルゴを選ばないのか、ソレーヌだってレナよりはマシではないか。優柔不断にも程があるだろ。素直に話せばみんな分かってくれるとでも思ってるのかこの二枚目男は。なんて思いが募っていったが、結局のところ愛を欲するが責任を取る勇気を持ち合わせない彼は一生愛は手に入らないだろうと思うと哀れみの気持ちが勝った。

エリックロメールの映画って不思議だと思う。観ている間、鑑賞直後には淡い雰囲気だけが残り、ほとんど忘れてしまいそうになる。でも、2日くらい経つといくつかのシーンが自分の中に深く残っていることに気づく。

何はともあれ、夏の終わりに観たくなる映画でした。
いはん

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