ケネス・ブラナー版公開前に、1978年版の『ナイル殺人事件』を久しぶりに鑑賞。
ピーター・ユスティノフのポワロはここから3作続くけど、一番ポワロとして馴染みのある俳優さん。
若い頃のマギー・スミス(マクゴナガル先生!)のオシャレで優雅なこと!
わー、オリビア・ハッセー、やっぱり綺麗だな〜。この2年後に布施明と結婚したっていうニュースを聞いた時にはビックリしたな〜。(その後、この2人がお忍びで泊まったというハワイのホテルのコテージに泊まったことある😊)
カイロからナイル川を遡る客船の中で起こる殺人。またまた乗客全員に動機があるアガサ・クリスティ的設定。
ギザの大ピラミッド、カルナック神殿、アブシンベル宮殿など、エジプトの観光地を舞台に繰り広げられる物語は異国情緒満載で、70年代のフィルムとしてのノスタルジーにも溢れている。
ただ、今見るとテンポが悪い。アガサ・クリスティもののお約束ではあるが、後半が怪しい人物全員の「もしこの人が犯人だったら」の再現フィルムを延々とやるし、
ミステリーの永遠の名作とは言われているが、ミステリーが溢れている今となっては真犯人の謎解きも「やっぱりね」となってしまうかもしれない。
アガサ・クリスティ自身、外国旅行物のミステリーの最高傑作と言っている本作の魅力は、最初は最も鼻持ちならなかった人物が、最後には最も孤独な人だった、というところが、本作をただ単にミステリーの傑作というだけではない作品にしているからだろう。
おそらく、ビジュアルも、テンポも、大きく進化してくるであろうケネス・ブラナー版、楽しみだ。