オノ

モンスター・ハウスのオノのネタバレレビュー・内容・結末

モンスター・ハウス(2006年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

昔の感想転用。
アメリカ版ジュブナイル映画。

一言で言うと「Super8」みたいな雰囲気。

ちょっと大人しめで浮きがちな主人公、空気の読めない友人、赤毛の可愛い女の子、分かってくれない大人たち。

ハロウィン映画らしく序盤の不気味さの演出は素晴らしい。子供が怖がり過ぎない、でも大人もちょっと不気味に感じる、絶妙な演出。
秋の少し薄っすらとした日の光や寒々しさもちゃんと出てる。
またSuper8と同じく、登場人物たちがリアルで非現実さが薄いのも良かったです。
大人も子供も人間性に厚みがあるような描かれ方をしてる。

また、「家が動いて人を食べる」という一見シュールで幼稚になりがちなストーリーの中にもちゃんとほのかに怖さを匂わせてるのが良い。学校の怪談シリーズを思い起こさせるような話の運びでした。
この家が何故モンスターハウスになったのか。
何でネバークラッカーは敷地内に人が入る事を拒絶するのか。
どうして家を手放さないのか。
そこらへんのストーリーも切なさがあって好きでした。
今回子供に焦点当ててたけど、ネバークラッカーの奥さんへの想いが一途で悲しくて素敵。

唯一残念だったのが他のジュブナイルものと違って、子供の話、で完結していること。
見下し気味な大人たちはその子がどんな思いをしてどんな成長をしたかに一ミリも気付かない。
子供達もそれに対して何の反発もせず、終盤では少し諦めたように大人の前で子供を演じる感じ。
ちょっと大人になったなあ、と言う事に気付くのは観客のみという所が良い所でもあり何かちょっと残念な所でもあった。どうせなら見返したれ。
『魔法にかけられて』と同じく、そういった面で今回も少しほろ苦さを残して終了した感じでした。

個人的ベスト台詞は「俺のかっこいい凧!」
ボーンズ馬鹿可愛い。
オノ

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